「ルビーはどこにでもあるし、価値のあるルビーって。。。そんなのないんでしょ」
「適当に、価値があると言った者勝ちなんでしょ。」と
ルビーのお話をしているときに、そんな意見をいただきました。
残念ながら、ジュエラーが、そういう印象を与えたのなら申し訳ないです。。。
ということで説明しました。
私たちは、宝石の品質判定のルールに基づき、宝石種、処理の有無、原産地
美しさ、色の濃淡、欠点、サイズと需要と供給をよく見て価値判断します。
宝石種、処理の有無だけをとっても、ルビーと呼ばれるものにも色々あります。
1)天然無処理で美しいルビー
2)天然無処理でさらに美しさを改良するために処理したルビー
3)天然だけど処理しなければ宝石にならなかったルビー
4)人工的に結晶されたルビー
5)名前だけルビーだけど。。。
ルビーが専門のモリスにとって、それらを見分けるのは大切なことです。
でも、見分けるのが一番難しいのは、2)と3)。加熱されているかどうかです。
ルビーの処理で一般的なのは800度以上の高温で長時間加熱処理をすること
により青味などを除去し、美しい赤を強調しようというものです。
モリスは、無処理で美しいルビーしか取り扱わせていただいておらないのですが、
無処理とは何なのか? 加熱とは何か?を知りたかったので、自分たちで
ヤンゴンのモリスルビー研究所で美しくない原石を使って加熱実験をしています。
下の写真は、ミャンマー産の原石を700度で5時間加熱したものです。
加熱して色が変わったのは一目瞭然。。。この紫色の原石が、ピンク色になった、
美しくなったという意味では、加熱処理をして美しさを改良したことになると
思います。。。が、如何でしょうか?
こうやって加熱処理して美しくなったルビーと天然無処理で美しいルビー、
パッと見ただけで違いはあまりないのですが、大きく違うのはその希少性です。
宝石とは、「美しく」「希少で」「時間がたっても変わらない」ものですから、
希少である方が、価値が高いのは当然です。
。。。。と申し上げると「ふ~ん。。結構納得」と微妙な反応ですが、ご納得
いただけました。
信頼度が上がるように、これからも研究していきます。
そう思うと、ちょっと元気が出てきました。まだまだこれからです。